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経営者必見!成長を加速させる「デザイン経営」。

「デザイン経営」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
デザインプロデューサーに向けたセミナーに参加してきたボスゴリが、会社に戻るなり「ん〜」と深いため息をこぼす。
「今度はどんな悩み事ですか? 新しい悩みのタネでも増えたんですか?」
いつも通りおっとりと構えるドレッサーが、ミルクティを飲みながらのんびりとした口調で声をかける。
ドレッサーの顔をチラッと眺めるも、経営に関することを話してもキャッチボールはできないだろうと言葉を飲み込むボスゴリ。
でも、もしかしたら、違う視点からの意見が聞けるかも!と期待を込め、資料を取り出し語り始める。
「中小企業向けの『デザイン経営』に関するセミナーに行ってきたのだけど、『デザイン経営』って知ってる?」
「言葉通り、広告や販促のデザインを経営に活かす!ってことじゃないんですか?」
ドレッサーは深く考えるでもなく、思ったままを口にする。
「それも、『デザイン経営』に取り組む要素の一つではあるんだけどね。
自社を見直して自分たちのビジネスの将来像を考えて、存在意義やビジョンを明確にするんだけど、
私たちクリエイターが関わってデザイナー視点を採り入れて、取り組んでいく経営のことなんだよ」
会社の「文化醸成」「人格形成」「価値創造」と書かれたチャートを見せながら、ボスゴリは説明を続ける。
「今の時代、生成AIや人材不足などでビジネスの現場は常にアップデートが必要とされているだろ。
それは働く人も同様で、リスキリングなんていうのも流行ったから覚えているよね。
会社や従業員、顧客、社会、自然環境までを俯瞰して、新しい一歩を踏み出すためにデザイナーが持つクリエイティブな視点を経営に採り入れようとすることなんだ」
資料をパラパラとめくりながら、ドレッサーが言葉を返す。
「私も取材をしていて、展望が持てない!と嘆かれる経営者にお会いすることがありますよ。
モヤモヤと心はくすぶっているのに、何をしたらいいのか分からないんでしょうね」
その通り!と言わんばかりに大きな指パッチンを鳴らすボスゴリ。
「悩んでいても着手しないのは、あきらめているのかも知れないね。不安に思ったり現状に不満があったりはするけど、本心から危機だと思っていなんだろう。
でも、今日の話では、中小企業の経営者が自分ゴトとして、『どげんかせんといかん!』と立ち上がって成果を出し始めている企業も増えているそうなんだ」
人はなかなか現状から抜け出せないものだが、その現状がいつまでも維持できるものではなく、むしろ右肩下がりになっていくケースが多い。
資材や人件費の高騰をはじめ、ビジネス環境が厳しくなっていく今こそ、「デザイン経営」が中小企業にとっての転換期になるのではないだろうか。

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従業員が輝く、ワクワクする経営改革!

「私も友人によく言われますけど、やっぱりクリエイターってモノの見方や発想が特殊なんですかね?
良い意味でだと思うんですけど、あり得ない!とかヤバイ!ってよく言われるんです」
奇抜なファッションを身にまとったドレッサーが問いかける。
最近ではよく「解像度」って言葉が使われるが、暗い環境にいても、カメラのISOの「高感度」機能のように、
クリエイターは多くのものを細かく感じ取っているのかもしれない。
そして、そのインプットされた情報を組み立てて、日々表現しているデザイナーの特性が、経営分野で見直され始めているのだろう。
単に表面的な広告や販促ツールのデザインだけを担当するのではく、もっと川上にある企業の内面・理想とする将来像を実現させる「デザイン経営戦略」として、
経営者とクリエイターが伴走者・パートナーとなって、新たな道を歩んでいくのだ。
「セミナーで、ある地方のスーパーマーケットの取り組みが紹介されていたんだ。
いくつもの大手チェーン店に取り囲まれた地域で、地元らしさ・自店らしさを考え、経営者と社員が一緒になって真剣に取り組んだケースなんだけどね。
聞いているだけで、こちらまで気分が上がってきたんだよ。新たな可能性の発見なんだろうね。
失敗はつきものだけど、現場で働くスタッフもお客さんもイキイキしていて、将来に期待が持てそうな雰囲気が地方でも展開されていることに驚かされたよ」
「以前もリッツカールトンのクレドの本を読んで、同じようなことを言ってましたよね」
お客様に喜ばれるための、従業員の行動指針として勉強になるだろうと勧めたが、ドレッサーはその本を手にすることがなかったことを思い出しつつ、
そういった目指すべき従業員の言動がブランドを構築しているのだと改めて実感するボスゴリ。
「経営者はもちろん、従業員や取引先、新たな協力者まで巻き込んで、中小企業でもみんながワクワクするような会社に軌道修正できるんだ。
関わる全ての人がハッピーになれば、会社の存在意義だって際立ってくるだろ!」
そんな案件を受注したわけでもないのに、鼻の穴を大きく開けながらヒートアップしてくるボスゴリ。
「取材先で、自分の子どもにこの仕事を継がせたくないって方、結構みえるんです。
毎日苦労して、辛そうにしている親の働く姿を見ていると、子どもたちだって夢を描けませんもんね。
できれば私だって、勢いがあって儲かっている会社の御曹司と一緒になりたいですもん」
自分がラクをできるよう、金持ち(K)で安泰(A)を望むデザイナーのドレッサー。まさにデザインKAである。