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えっ! 1年以上もかかるの? 意外と時間のかかる記念誌の制作期間。

 創業後の節目に花を添える周年記念誌は、会社の誕生から現在に至るまでの長い期間にあった歩みを残すことにより、これから会社を牽引していく新しい世代の方々にとっても重要な情報源となります。創設当時の想いや苦労、時代を表すエピソードなどに触れ、経営理念を再認識するとともにさまざまな難局を乗り越えてきた先人達の秘策・情熱を知ることにもつながるのです。たくさんの100年企業がありますが、創業30年でも40年でも、ストックした記録を記憶のあるうちにまとめてみてはどうでしょう。

 長いコミュニケーションデザイナー歴の間には、わずかですが4件の周年記念誌制作の経験があります。その中には、創業後20年で記念誌を作成した案件もございました。文字ばかりで読む気分にはなれない、ただただ記録だけを綴った分厚い冊子のタイプではなく、100ページほどでソフトカバーの記念誌です。よく、会社の応接室にある本棚にハードカバーでさらにカバーまで付いた記念誌を目にしたりしますが、マガジンと本(ブック)の中間に位置するムックタイプも多いのです。ハウスメーカーのディーラーとして販売を行うこの会社の案件は、1年に渡り制作期間を要しました。お客様サイドでは、社史編纂室が設けられ、総務・営業・広報・宣伝などから情報を収集するとともに、現役役員はもとより創業当時に見えたOBの方にまでアプローチ。集まった情報や写真を元に、関係スタッフが集まりいよいよキックオフです。祝いの席となる記念式典において、お客様さまや協力会社さま、社員やOBなどのステークホルダーに配布するため、抵抗なく読んでいただける企画を考え提案しました。方向性や構成要素が決まるとページネーションに展開していきます。月に一度開かれる定例会に参加するとともに、ライターとカメラマンを伴って役員や社員のインタビューを行ったり、関連写真を撮影にいったりしながら、デザインを進めていきました。

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本棚に眠る記念誌ではなく、読んで・見て楽しんでいただける展開に。

 記念誌の中でも印象深い仕事に、名古屋から80km近くも離れた自治体の50周年記念誌があります。合併や統合などにより地域の名称が変更したり、施設や公園が作られたり、そんな町の変遷やスポット、行事を紹介したり、町の統計データをまとめたり。町全体を見渡すイラストマップでは、名所や旧跡・施設・行事、町の木・花・鳥とともにレイアウトをし、賑やかな地元を表現。50年に渡る町の歩みを記録として残し、今いる町民に魅力あふれる我が町を表現することはもちろんですが、町内各地の様子を写真で未来に伝えるためにも、町民から写真を公募されては?という提案を採用いただき広報で募集。バリエーション豊かな懐かしい写真が散りばめられることになりました。こちらも、記念式典で記念誌が紹介されるともに各家庭にも配布され、自分たちが暮らす町の魅力を再発見する機会にもつながりました。こちらも、手に取りやすいムックタイプのもので、関係者の顔合わせからスタートし、編集会議、編集、撮影、デザイン・データ作成を進めては確認いただき…と、やはり一年近い制作期間でした。

 近い将来、会社が大きな節目となるような歴史を刻まれているようであれば、逆算をして構想を練ってみてください。おおよその予算感が決まれば冊子や記念ロゴマーク、イベントなどの方向性も具体的になってきます。往々にして後悔されるのが、「もっと早くから着手しておけばよかった」と言うお声。制作が順調に進んでいた会社さまでも耳にした言葉です。満足のいくゴールができるよう、余裕をもってはじめましょう。

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攻める企業は、こんなところでもしっかり戦略を!

 ガッツリと記念誌だけの冊子を作らなくても…と、会社案内に記念誌の内容を盛り込んだ合体タイプの冊子をデザインしたこともございます。納品の二年ほど前にはじまったキックオフの際は、「記念誌」制作でのスタートでしたが、時とともに合体版の会社案内に変更されていきました。行政案件で入札も多いと言われる広告主さまのご要望は、自社紹介資料として添付するものに「会社案内」だけではなく、「実績」を裏付ける「歴史」や「技術・想いが今に受け継がれてきた物語」も伝えたい!とのこと。そんな内部事情もあり、バラバラと冊子が増えると見る方の手を煩わせるだろうと合体版を採用していただきました。また、会社の歴史が大きな強みになることもあり、厚手の紙を用いた表紙にはトムソン加工で型抜きしインパクトを持たせました。さらに本編では、もちょうど真ん中になるページを観音タイプに織り込んだパノラマページを展開。世の中の出来事もまじえて、創業から今に至るまでの年表を掲載しました。

 会社案内の中には、データとして簡単な略歴が記載してあるものも目にしますが、「実績」や「歴史」が強みである会社であれば、そこをセグメント化して打ち出すことで競合との差別化をしたメッセージにもります。自分たちが他社より勝るポイントを何に絞り込むのかといったセグメント、ターゲットとなる担当者には何が響くのか、何を競合優位性としてポジショニングするのか…。記念誌や会社案内が使われるシーンでも、STP分析を活用すれば、鋭いメッセージを伝えることにつなげられるのです。