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人は何に反応し、何をもとに決断を下すのか。

 広告や販売促進活動、デザインを進める上で忘れてはならないことに、対象とする人・組織の「心理・感情」があります。「心理学」と「経済学」を合わせ持ったものを「行動経済学」と呼び、それを活用してビジネスプランを展開すると、効果的な結果が期待できます。

 人が何かを買おうとしたときなど、過去の経験を参考にして瞬時に決定を導き出す意思決定のプロセスを「ヒューリスティック」と言い、「直感、即決、高速、努力を要さない、経済的」などの特徴があるそうです。ということは、売場に立ったときやスマホ・PCで画面を見たとき、「あっ、この商品は自分が望むモノだ!」と思わせる仕掛けが必要になるということ。「タイパ」と声高に叫ばれるように、タイムパフォーマンスが重視されているのは、今やZ世代に限ったことではありません。かけた時間に対してどれだけの見返り・効果があったのかなど、あわただしく現代を生きる人に「時短」「手間の軽減」は重要なポイントとなるのです。

 このようなことからも、せっかくECサイトまで到達したのに、目当てのものがすぐに見つからなかったり、説明が分かりづらかったりすると、そこであきらめてしまって購入に至らない、なんとことになってしまいます。また人は、馴染みのあるものを選択する意思決定プロセスを持っているため、思い出しやすいものを買ってしまう傾向にあります。ドラッグストアに足を運び、目当てのアイテムが数多く並ぶ売り場の前で、安心して手に取る商品は広告で記憶に残っていた商品やブランドが多いという経験は自分自身にも幾度となくあります。時間に余裕がある方なら、一つひとつ異なる商品を手に取り、自分に合ったものを選ぶこともできますが、他よりも安い、他にはない効果が得られるなど、秀でた強みを除き、今は、短時間で意思決定をする時代。しっかりと告知をし、選ばれる商品・サービスであることをPRしておきましょう。

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人を導く、巧みな表現マジック。

 まったく同じ情報や内容なのに、言い方や書き方・表現方法が異なることだけで、受け取り方が変わり選択・決定まで変わってしまうということがあります。これを「フレーミング効果」と呼びます。広告を見ていると、顧客満足度92%などと、その商品・サービスがいかに受け入れられているかを強くアピールする表現を目にします。しかし、心根がねじ曲がっているのか、私は逆に、満足できなかった8%の意見って何?と気になってしまうのですが、
「100人のうち8人が不満」だったという見方がある一方、「100人のうち92人も満足できた」という好印象に捉えた見方もできるのです。人気ドラマVIVANTにもあった砂漠を歩くシーンではないですが、ペットボトルに残った3割の水を「たったの3割しか」と捉えるのか、「まだ3割も」と捉えるのかで人の心理は大きく変わります。3人兄弟だった私が幼い頃、おやつを3人で仲良く分けなさいと親から言われ、「たったのこんだけしかないやん!」と文句で返すのに対し、「あんた何言うとんの!そんなにもあるやん!」と納得させられていたのは、このやり口だったのかも知れません。そこを上手く活用して広告表現をすれば、納得をした上で顧客を導かせることにもつながるのです。

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思い込みにより、ファンを熱心にさせる心理。 

 薬物や治療の効果が実際の治療効果とは無関係に、患者や消費者の期待や確信によって起こる現象「プラシーボ(偽薬)効果」。テレビ番組「芸能人格付けチェック」でもよく笑いを誘っていますが、安物のワインなのに高級感のあるラベルや高額な値札を貼るだけで、高級なワインを飲んでいると錯覚してしまい、安物も高級なものも分からなくなってしまうのです。人間の脳は「思い込み」により、知識が知覚に影響を与え実際にそのように感じたり、効果を生み出すようになると言います。薬を購入する際、根拠もないのに安いものは効果が少ないと思い込んだり、奮発して高いドリンク剤を飲んだから元気になれる!との思い込みもこんな背景があるからなのでしょう。ちなみに、薬の商品名は最後の文字が「ン」だと、それらしく感じられると言われたことがありました。バファリン、ノーシン、ビオフェルミン、キャベジン、太田胃散、正露丸といったところでしょうか。

 このように人の思い込みは、ブランディングを構築する上でも活用することができます。高級で認知されているから、有名企業だから、広告で何度も見ているから、「安心だとの思い込み」が生じるため、「自社が提供する商品・サービスは、こんなに優れたものです」とメッセージを続けて認知させるのです。もちろん、実際の商品・サービス自体がメッセージの内容と偽りがない上での戦略です。消費者にブランドや製品・企業に対する信頼性を高めていただくには、「品質、信頼性、専門性を伝える要素を強調する」ことが重要になってきます。消費者の期待を高めるプラシーボ効果で、熱狂的なファンを増やしていきましょう